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本尊 不動明王

木造不動明王坐像(昭和58年 国重文指定)   檜材一木造り  像高84.4cm

大聖寺は長治2年(1105)に、甲斐源氏の祖(おや)といわれる新羅三郎義光(しんらさぶろうよしみつ)が 開基したと伝えられています。寺には、「義光山大聖寺殿」の義光の位牌や木造がまつられ、また義光の 廟所もこの寺であるとされています。
大聖寺の本尊不動明王は、新羅三郎義光の曾孫にあたる加賀美次郎遠光(かがみじろうとおみつ)が高倉天皇から拝領した仏像であると伝えられ、国の重要文化財となっています。
大聖寺縁起によりますと、今から八百余年前の昔、承安元年(1171)に京都御所の屋根の上に毎夜車輪 のような形をした怪しい光が現れ、時の高倉天皇はそのために病になられました。その時に大番として宮 中守護にあたっていた遠光に悪魔退治の命が下りました。遠光は宮中清涼殿におまつりしてあった不動明王に祈念し、甲斐源氏に伝わる「鳴弦の術」をもってこの悪魔を退け天皇をお守りしたのです。
その恩賞として清涼殿の不動明王をいただき、任が終わって甲斐の加賀美の荘(現:南アルプス市加賀美)へ帰る途中、曽祖父開基の大聖寺へ像をおさめたと伝えております。
後の世に、武田信玄が護摩の本尊、弓箭(きゅうせん)の守護としてこの不動明王を深く尊崇しましたが、 信玄の中にそうした勇ましい甲斐源氏の血が脈々として流れていることをよく知っていたからだと思います。

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